いつも眺めていた彼の横顔
伝えたいことはたくさんあるのに
それでも伝えられないんだ
仁王君の部活が終わったころ
私も読んでいた本を閉じて
図書室を後にした
今日こそは伝える
─ 貴方が好きだって
校門の近くで彼が来るのを寒さを我慢しながら待っていた
「あ、来た…」
テニスコートの方から
丸井君と桑原君と柳生君と4人で歩いて来ている彼を見つけた
彼が近付いてきているのに
どうしても足が動かない
彼が通り過ぎようとしているのに
どうしても声が出ない
微動だにしない私を
丸井君たちが気にしていたけど
彼だけは私に目もくれず通り過ぎて行った
一人その場に残されて
なにしてるんだろ
馬鹿だな私…
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拒まれる恋のお題
10.一人その場に残されて