先生が1週間の日程を話した後始業式を行い下校。
私とは部活にも入っていないのでそのまま帰る予定だった。
2人で昇降口に向かっていた時
ふといつもポケットに感じる重みがないことに気づいた
「あ。携帯教室に忘れた…」
今日机の中に入れて持ってくるのを忘れたらしい。
「本当?あ、じゃぁ…」
「大丈夫、1人で行ってくるよ。」
じゃぁ待ってるよ。と言ってくれたにお礼を言って急いで教室に向かった。
教室のドアを開け真っ先に目に入ってきた赤い髪。
…朝の蟻どもの餌か。
ため息をつきつつ、をこれ以上待たせちゃいけないという焦りで
少し早歩きになり、机の中にあるものを取った。
よしっと踵を返そうとしたとき
「おい」
蟻の餌…もとい丸井ブン太に呼び止められた。
大体おいって何様だゴルァ。
「何?」
心の中で舌打ちしながら丸井ブン太に背を向けつつ聞いた。
「あのさ」
「ってなんで皆と関わんないわけ?」
意表を突かれるとはこのことか。
何の話かと思えば思ってもいなかったこと。
わけがわからず丸井に視線を向けた。
「なぁ。なんで?」
なんで…なんでって
それはこっちのセリフだよ。
何も言わず黙っていると丸井が近付いてきた。
それに合わせて私も後ろへ下がる。
「ちょ…こないでよ!!」
強めに言っても丸井には通じない。
ついに後少しってところまで近づかれた。
…さてこの状況どうしましょう。
1.理由を話す
…絶対にやだ。却下却下。
2.この場から逃げる
いやいやいや、明らか無理でしょう。相手はテニス部レギュラー。これも却下。
って選択肢ないじゃんか。
どうしよ。
「…人と関わるのが怖い?」
頭の中でいろんな解決方法を考えている間に
丸井が突然言った言葉に私は理性を無くして叫んだ。
「…!!あんたなんかに何がわかるのよ!!
いつも人気者で周りからちやほやされてるあんたに
私の気持ちなんかわかるわけないでしょ!!!」
初めて大声をあげた私にあっけにとられてる丸井を
力任せに押し教室から急いで出て行った。
後ろでなにか叫んでたけど気にせず走った。
待っていてくれたは私の様子に驚いてたけど
私が何も言わなかったから
何も聞かないでいてくれた。
外は明るかった
私の心とは正反対に…
「人気者で周りからちやほやされてる…か。」
そのころ教室で丸井は頭を抱えてうずくまっていた
が言っていた言葉を口にしながら。
「お前は昔の俺に似てるんだよ…」
そう呟いた丸井の顔は
いつものような明るい笑顔ではなく
苦しそうな笑顔だった。
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